生体計測を依頼したいのですが…?

私共の研究グループでは、一般的に利用される生体計測のノウハウをほぼ網羅して所有しています。例えば、看護師による血圧測定や体脂肪計(100万円以上する研究用)に始まり、脳波やサーモグラフィーなどが代表的なものです。機材を所有していない場合でも、多くの連携先があり、元から共同研究をベースにしている組織作りが私共の強みです。

以下、相談を受けることの多い評価項目と、一般的な代替案をご提案しています。

脳波を測定したい

アロマテラピーなど心理的な影響がある商材の効果をアピールしたい際に、脳波を希望されることが少なくありません。講義で脳波を解説したページがこちらにあり、まずは簡単な概念を知って頂ければと思います。

上記のページと以下の動画を少し確認頂いたら分かると思うのですが、脳波のみではほとんど解釈することができません。例えば、α波が増えても、目を閉じていた時間が長かった(退屈だった、眠かった、目が乾いた、など)という解釈もできたりします。

脳波の概要や解釈

代替案は、心理学的な質問紙です。脳波測定に比べてコストが半分程度になるだけでなく、ストレス、眠気、意欲、鬱、不安などが明確に判断できます。質問紙を解説したページや以下の動画もご参照頂ければ幸いです。

食品の機能性研究に利用される心理学質問紙

サーモグラフィーを測定したい

身体を温める食品成分であったり、温感のある化粧品など、サーモグラフィーの計測について相談を受けることも年に数回あります。写真のように温度の分布が分かるのは、一見、説得力があるようにも思います。以前は100万円以上で購入していた測定装置も、今では5万円未満で購入することができ、測定自体も撮影なので、低コストで実施できます。

まずは、そもそもこの手法自体、景品表示法違反の懸念があります。大袈裟に言えば詐欺罪です。1例ずつの比較を提示することが多く、複数例を数値化してその平均値を比較していないことが大多数です。画像から温度を割り出すことも可能ですが、部位も作為的にならざるを得ず、ブラインドテストが難しく、簡単に言えば胡散臭い研究手法になり兼ねません。

温度の測定については、原理は同様ですが、体表面温度計です。これも、以前は10万円以上しましたが、コロナ禍の影響で、数千円でも入手できるようになりました。温度の変化を数値化して時間を追ってグラフ化なども容易です。

腹部CT画像で内臓脂肪を測定したい

上記と同様ですが、腹部X線CT画像があると、一見、説得力が出るようにも思います。騙される消費者も少なくないのかもしれませんが、長期的に信頼できる商品作りや広報をすることが、業界全体の信頼性を向上するものであると考えています。

腹部X線CTのコストは1検体1~1.5万円と高額であり、断面積から数値化することも可能ですが、一度も統計的な差を検出できたことがなく、ほぼ確実に全く無意味な出費になります。

私共の研究グループでは、特別な体脂肪計(内臓脂肪計)を導入しています。一般的な体脂肪計と原理は近いですが、手や足に電極を接触されるのではなく、腹部に直接電極を装着します。この方法は複数の健康食品の効果を検出することに使われてきました。