頭が良くなる、認知機能(認知症)が改善される、などの「脳に良い」食品に関する相談が増えてきました。脳に良い食品成分を15年以上追い求めてきて、ヤマブシタケやサフランなどの食品に出会うことができました。
頭に良い食品は心に良いことが多い
冒頭で紹介したヤマブシタケとサフランも、まずはメンタルヘルス(心の健康状態)を改善する結果が得られました。以下の動画では、サフランの効果について解説しています。
意外と忘れがちな事実ですが、心を生み出す場所は脳であり、脳に良い食品は心に効果があることが多いです。
心が改善されなければ記憶も改善しない
イメージとしては、筋トレに喩えることが多いです。腕立て伏せ10回をすることも大変な方にとっては、最初の1週間は筋肉痛などダメージの方が大きいですが、2週間くらいで慣れてきます。最初は神経系や細胞内の仕組みなどが改善されて、徐々に細胞が増えてきて、1ヶ月くらいで効果が出てくるでしょうか。
メンタルは神経系の伝達改善でも状態を良くすることができるメカニズムがあり、早目に改善効果が見られることが多いです。一方、記憶などは神経細胞がネットワークを物理的に構築する必要があり、効果が遅いことが多いです。そのため、認知機能は6週間の摂取試験を実施しています。
脳に良い食品は疲労感や睡眠、肌に良い場合も
メンタルヘルスを改善(鬱、不安、意欲の低下などの改善)する食品は、疲労感や睡眠を改善することが多いです。睡眠が改善することにより、肌に良い効果があることも少なくありません。逆に、睡眠や肌の効果を期待して臨床試験を実施すると、鬱や不安の改善に効果があったということも稀にあります。
そのため、脳に良いと思われる食品は、特定の効果に特化をさせず、幅広くその素材の特性を見極めることが重要です。また、特定の効果に特化させる商品を開発する場合には、十分に情報収集をして素材を選定する必要があります。
認知機能や記憶の改善も諦めない
見出しの言葉とは逆説的になりますが、研究があまりされていない食品の効果を見極める際、まずは認知機能や記憶の改善を諦めて頂き、メンタルヘルス等(睡眠や疲労感を含む)の改善をお勧めすることが多いです。認知機能や記憶の試験は難易度もコストも高く、まずは後回しにすることをお勧めしています。
しかしながら、認知機能や記憶の改善を目指すことは、メンタルヘルス等に確実に良い製品設計になります。マーケット(≒売上)も大きいと聞いています。まだこの分野には眉唾物の商品も少なくないので、選択肢(効果のある食品)が1つでも多く増えることで、救われる方々が増えていき、業界の信頼性を高められるのではと考えています。